2005年01月30日

権力者が自らを予見するのは難しい(1 堤義明氏の場合)

 27日の記事「尻馬に乗って元・権力者をたたく」で引用した橋本大二郎氏のブログ「去りゆくドンたち」を読んでいて面白いと思ったのは、堤義明氏が7月の時点で「パリーグの球団合併で、プロ野球は1リーグになる」ことを疑っていない点だ。

 まさに、その同じ日に、奇しくも堤さんからも、電話をもらったのですが、その内容は、プロ野球の再編に絡むもので、「パシフィック・リーグの球団合併は、将来は1リーグ制に向かわざるを得ないので、その際に出来てくる、3軍の選手の受け皿づくりを、四国独立リーグの立ち上げを目指している石毛(元オリックス監督)と、話しあってみてほしい」といったものでした。

 ここで橋本氏が「その同じ日」と言っているのは昨年の7月15日。プロ野球オーナー会議で堤氏が「パシフィック・リーグでもう1組の球団合併が進行中である」と発言したのが8日のことだから、それからまだ1週間しかたっていない時点で、プロ野球は1リーグ10球団になるから、石毛氏の独立リーグを受け皿として想定していたわけだ。

 実際には、彼らが想定したダイエーとロッテの合併が不調に終わる。それだけでなく、選手会の反発、初めてのストライキ、選手会を支援し球団経営者側を非難するファンの急増、楽天の参入、ソフトバンクによるダイエーの買収――などを経て、プロ野球は今季も2リーグ12チーム制を維持することになった。

 おそらく7月の時点で、堤氏はこんなことになるとはつゆほども考えていなかったに違いない。それは堤氏だけでなく、巨人の渡辺恒雄オーナーも、オリックスの宮内義彦オーナーも、「1リーグ制こそ進むべき道」と考えた球団経営者は同じように現在の状況を思いもしなかったはずだ。

 だれでも自らの将来を予想することは難しい。だが権力者は、権力者であるが故に「自分が正しい」と思っていること以外の情報が耳に入りにくくなる。物事が従来通りの枠組みで進んでいる時はそれでも困らないが、昨年のプロ野球界のような「転換点」に差し掛かった時、「都合の悪い情報が耳に届かない」ことが大きなマイナスになる。そういう状況に置かれた権力者が自らを予見することほど、難しいものはない。
posted by KH at 13:33| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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