2005年09月19日

半藤一利の『昭和史 1926-1945』で気になる点は

 半藤一利の『昭和史 1926-1945』(平凡社)を大いに誉めたけれども、1つだけ気になる点がある。それは著者の根底にある歴史観だ。

 はじめの章で、著者はこう書いている。

つまり国を開いてからちょうど四十年間かかって、日本は近代国家を完成させたということになるわけです。

 そこから大正、昭和になるのですが、自分たちは世界の堂々たる強国なのだ、強国の仲間に入れるのだ、と日本人は大変いい気になり、自惚れ、のぼせ、世界中を相手にするような戦争をはじめ、明治の父祖が一生懸命つくった国を滅ぼしてしまう結果になる、これが昭和二十年(一九四五)八月十五日の敗戦というわけす。

 一八六五年から国づくりをはじめて一九〇五年に完成した、その国を四十年後の一九四五年にまた滅ぼしてしまう。国をつくるのに四十年、国を滅ぼすのに四十年、語呂合わせのようですが、そういう結果をうんだのです。 

 うーん、そうなのだろうか。

 確かに近代日本を一生懸命つくった「明治の父祖」たちの努力を認めないわけではないが、日露戦争以後の日本が太平洋戦争に向かって滅びの道を歩み出したとすれば、それはそれ以前の「国をつくる四十年」にも、既に滅びにつながる萌芽があったのではないか。

 半藤のこの考え方、歴史観は、おそらく編集者・作家としてつながりが深かった司馬遼太郎の歴史観ともつながるだろう。

 「滅びの四十年間」を、明治や、そして今の日本と区別することは、今の時代がすぐ滅びに結びつくかもしれないという危機意識を麻痺させてしまうものだと思う。
 
posted by KH at 16:55| Comment(1) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by みんなのプロフィール at 2005年09月19日 19:32
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